APS療法について
APSは自己たんぱく質溶液(Autologous Protein Solution)の略称で、炎症を抑えるたんぱく質と軟骨を守る成長因子を自分自身の血液から高濃度抽出したものです。
APS治療は変形性関節症を主な対象とする治療法であり、痛みや炎症、関節の回復・改善、慢性的な痛みの回復の為に、損傷部位に注射します。
ご自身の血液を使用するため安全性も高く、日帰りで治療可能な、体に負担のない治療方法です。
膝関節の痛みと臨床
ひざ関節症の関節内 (下図) では、軟骨の破壊成分を作り出す炎症性サイトカイン (IL-1, TNFα) という悪いタンパク質の働きが活発になっています。悪いタンパク質は軟骨の破壊成分 (MMP) の生産を促進します。
悪いタンパク質は、炎症を悪化させ関節の痛みを増加させます。これを放置すると軟骨の破壊が進み、最終的にはひざ関節機能が失われ、軟骨全体の変性が進みます。
対象になる疾患
他 関節症
PRP療法・APS療法
当院におけるAPS再生医療治療成績
2019~2021年 年代・年度別APS再生医療治療数
症例数 |
施行関節 |
年代別症例数 |
50~59 |
60~69 |
70~79 |
80~89 |
73 |
膝 |
2 |
15 |
35 |
21 |
2 |
股関節・手指(各1) |
|
1 |
|
1 |
TOTAL |
75 |
|
2 |
16 |
35 |
22 |
全症例における施行前後の治療成績
治療成績のまとめ
APS施行後平均24ポイントの改善を認めた。
治療の流れ
- 患者様の血液を少量(約55ml)、採取致します
- 採取した血液からキットを用いてAPSを抽出
- APSを患者様の関節内に注入
- APS注入の約1週間後から、関節周囲の損傷している組織に体外衝撃波を照射し、組織修復への相乗効果を期待します
- 3週間にわたり体外衝撃波の照射を行い、後日の検診で施行部位の筋力や可動域、疼痛等を確認します
治療費
APSの治療費につきましては、下記の通りになります
APS関節治療 ¥350,000-
(前後の検査、施行後の検診は健康保険診療になります。また、患者様の症状によっては、上記治療費以外に、装具固定費用・体外衝撃波治療費等、上記金額とは別にいただく場合がございます)
他、詳しくはお問合せください
よくある質問
- APS療法でひざ関節症は治りますか?
- APS療法は関節の痛みや炎症の改善を目的とした治療です。炎症を抑えることで、関節内の軟骨破壊や環境の悪化を防ぐことが期待できます。
- APS療法による痛みの改善効果はどのくらい続きますか?
- 海外の治療報告によればAPSを1回注入後、約24ヶ月続くことが報告されています。
- バイオセラピーとは何ですか?
- ご自身の細胞や血液成分などを利用する新しい治療選択肢です。
- APS療法は安全ですか?
- APS療法はご自身の血液を利用しているため安全性も高く、来院当日に受けられる体への負担が少ない治療法です。
- ひざを切開することになりますか?
- ひざの切開は必要ありません。本治療はご自身の血液から抽出したAPSをひざ関節に注入するだけでひざを切開する必要はなく、入院も不要です。患者様のご負担はヒアルロン酸注射を打つ時とほとんど変わらないものです。
- 効果はどのくらいで現れますか?
- 個人差はありますが、注入後1週間ほどで効果を実感する方もいます。
- 治療後は通常通りに活動してよいのでしょうか?
- 治療後14日間は活動レベルを最小限に、治療前より活発にしないことが推奨されます。
- 高齢ですが治療を受ける事は出来ますか?
- 身体に負担の少ない治療ですので可能です。ただし、膝関節の破壊が進んでいる重度の方は年齢に関係なく、手術の方が良い場合もあります。
- なぜ自由診療なのですか?
- APS療法は保険適用前の新しい治療だからです。
安全性は確立された治療法ですが、有効性が検討段階のため、健康保険が使えず自由診療になります。