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骨粗鬆症とは骨が構造上もろくなり、骨折しやすくなる病気です。
背骨がもろくなると、背骨が体の重みでつぶれたり、変形する圧迫骨折がおこりやすくなり、背中が曲がったり、姿勢が悪くなったりします。その結果、日常生活に支障をきたすことにつながります。
姿勢が悪くなると、内臓への悪い影響(胸やけなど)を及ぼすことがあります。
骨粗鬆症は圧倒的に女に多い病気です。
閉経を迎える50歳前後から骨量が急激に減少し、60歳代では2人に1人、70歳以上になると10人に7人が骨粗鬆症といわれています。これは、女性ホルモン(エストロゲン)が骨の新陳代謝に関わっているからです。
また、年齢や遺伝的な体質、偏食や極端なダイエット、喫煙や過度の飲酒、運動習慣なども骨粗鬆症の原因として考えられており、最近では若い女性の骨粗鬆症も問題になっています。
なお、他の病気の影響によって骨粗鬆症になりやすくなる場合もあります。
太ももの付け根を骨折したことがある60歳代の女性が、5年以内に再度骨折をする危険性は、骨折をしたことのない女性に比べ、16.9倍も高くなります。
背骨の骨折を一度おこすと、1年以内に5人に1人が再び骨折をおこすといわれています。
骨粗鬆症薬剤には作用別に次のような分類をすることができます。患者さんの状態に合わせて薬剤を選択します。
• 骨吸収抑制剤、調整剤 (アレンドロネート、ビスフォスフォネートなど)
• 疼痛対策(除痛)
• 骨形成促進剤 (フォルテオ)
• 補充(ホルモン、ビタミンなど)
骨吸収抑制剤は骨密度を高め、骨折防止効果、特に脊椎圧迫骨折、大腿骨頚部骨折の予防効果が大規模な研究で示されています。
遺伝子組換えのヒト副甲状腺ホルモン製剤で骨形成を促進して、骨粗鬆症で減った骨の量を増やし、もろくなった骨の中の構造を再構築して骨を折れにくくします。
通常、骨折の危険性の高い骨粗鬆症の治療に用いられます。
骨粗鬆症の原因には、年齢や性別、遺伝的な体質など、変えることのできない要素があります。
一方で、食生活や運動などの生活習慣を変えることで改善できる要素もあります。
骨粗鬆症の予防に特に重要なのはカルシウムの摂取ですが、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、骨が作られるのを助けるビタミンKや、同時に、タンパク質、ミネラルなどさまざまな栄養素を摂取することも大切です。
カルシウムの摂取には乳製品や小魚などを食卓にうまく取り入れるように工夫をしたり、市販のサプリメントなどを利用すると良いでしょう。
ビタミンK2が豊富に含まれている納豆も、骨粗鬆症の予防に取り入れたい食品です。
また、ダイエットなどで痩せすぎたり、体重が軽い人は骨が弱い傾向にあります。
骨粗鬆症の予防には、標準的な体重を保つことも重要です。
喫煙は、胃腸のはたらきを抑え、カルシウムの吸収を妨げます。特に女性の喫煙は女性ホルモンの分泌を減少させるのでおもいきって禁煙してしまうのも手です。
お酒には利尿作用があるため、飲みすぎると必要なカルシウムまで排泄されてしまいます。
そのうえ、腸からのカルシウムの吸収も妨げてしまいます。
日光の下でウォーキングなどの運動を毎日続けましょう。
骨に適度な圧力が加わり、骨が強くなります。
また、運動を続けると血液の流れが良くなるので、骨を作る細胞のはたらきが活発になります。
筋肉が鍛えられ、身体機能が鍛えられると、転びにくくなり、骨折の防止にもつながります。
但し、自分に合った運動を心がけ無理をしないようにすることが肝心です。
適度に日光に当たるようにすると骨の吸収を良くするビタミンDが活性化され強い骨を作るのに役立ちます。